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2017バレーボールミーティング開催報告

2017バレーボールミーティング開催報告

 2017バレーボールミーティングが、7月29日に富山県総合体育センターアリーナで開催されました。役員・講師7名、参加者73名(会員26名、非会員47名)、引率された中高生53名、補助学生24名、総勢157名の参加がありました。また、日体協公認指導者資格更新のための義務研修としても認められ、義務研修としての受講申請者は31名でした。ミーティングの中では中高生からの質問を含め多くの質疑応答があり、また参加者が実際にパスを試してみる機会が設けられ、アクティブなミーティングとなりました。

【講義・実技1】
 初めに、三村泰成氏(鶴岡工業専門学校)から「なぜエンジニアリング・アプローチなのか?掴むべき感覚、必要な試行錯誤」というテーマで講義がありました。アリーナ上方にあるスクリーンに映し出されたスライドをもとに、動作学習におけるフィードバック、オーバーハンドパスやアンダーハンドパスの動きを工学的に考えるとどうなるかについて説明がありました。
 続いて布村忠弘氏(富山大学)から、「試行錯誤で生徒につかませる指導は誰にでもできる」というテーマで講義がありました。生徒自身に有効な試行錯誤をさせることが大切であり、そのためには「正しくやる」ことや「こうやるべき」という思考を排除して「こうしたら、こうなった」と試した結果に意識を集中させることが大切と説明されました。

【講義・実技2】
 ここで布村氏は、アンダーハンドパスの原理として、腕を振らないで平行移動させるためには、ボールを体の正面でとらえるよりも横方向の重心移動を使う方が有利であることについて見本を示して説明しました。その後、参加者が実際にアンダーハンドパスをしながら、この原理を確認する時間が設けられました。
 続いて、オーバーハンドパスの動作原理について縄田亮太氏(愛知教育大学)から講義があり、布村氏から初級者レベルの女子中学生をモデルとして、動作原理と試行錯誤のさせ方について説明がありました。
 さらに、オーバーハンドパスで方向を変える際に、上げる方向に体を向き変えるのではなく、頭の上に天使の輪をイメージして頭の斜め上でボールをとらえて横方向や後ろ方向にパスする方法について説明があり、これも参加者が実際にパスをして確かめていました。

【講義・実技3】
 午後からは布村氏がスパイクのフォームについて解説した後、ブロックのフォームと練習方法について、大学生の見本を示しながら説明がありました。ブロックの空中姿勢は「くの字」ではなく、重心を中心とした弓形を作るようにして手首、肘、肩を体幹から固める感覚が大切であると主張しました。
 さらに、ブロックヒットの瞬間をゴールとして、その時の体の位置・方向・体勢をしっかりイメージして試行錯誤することで、より早く高い位置にブロック面を完成するための移動ステップとジャンプの方法を身につけることができることを大学生のモデルで解説しました。
 その後、女子中学生選手にブロックを跳ばせながら、コースとタイミングを予測し、適切なブロック面の位置を取れるように、スパイクボールにジャンプを合わせる感覚が大切であること、空中で相手スパイクボールに触れる練習はネットから手が出なくてもできることを説明しました。
 続いて、三村氏から「ジャンプ」の動作原理について解説がありました。

【講義・実技4】
 ここでは、「戦術面における試行錯誤」として、まず三村氏から「宇宙船のランデブー」を例に、「戦術面のトレーニングで感じてほしいこと:なぜ協調活動(チームワーク)が創出するのか?」という講義があり、ゲームライクな練習で感じるべきことについて説明がありました。
 続いて縄田氏から、「技術アプローチ」と「戦術アプローチ」の違いについて説明があり、各技術を個別学習してから戦術を考えていくのか、ゲームを通して様々な状況で求められる技術を考えていくのかで、練習の仕方が全く違ってくると述べました。縄田氏は参加者にサーブはどっちを狙うのかを問いかけ、様々な状況で参加者の戦術の考えを引き出しながら戦術アプローチについて説明しました。

(文責:小川宏)