日本バレーボール学会 2012年バレーボールミーティング報告
会期 | 2012年7月21日 |
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会場 | 東レ総合研修センター・東レアローズ体育館 |
テーマ | 「「テンポ」の観点から理解・実践する世界標準のバレーボール 」 |
2012年7月21日(土)、東レ総合研修センター・東レアローズ体育館において、「「テンポ」の観点から理解・実践する世界標準のバレーボール」をテーマに、シンポジウム、オンコートレクチャーが開催された。当日は約130名の参加者が集まり、今回のテーマ「テンポ」に対するバレーボール関係者の関心の高さがうかがえた。
セッションレポート
10:10~12:20〈シンポジウム〉
第1部:「ファースト・テンポは「はやい攻撃」なのか」
第2部:「”トス”から”セット”へ〜今こそ日本に求められる発想の転換〜」
司会:後藤浩史(愛知産業大学)
演者:渡辺寿規氏(滋賀県立成人病センター)
演者:手川勝太朗氏(神戸市立大原中学校)
13:10~15:15 〈オンコートレクチャー〉
司会:小川宏(福島大学)
講師:手川勝太朗氏
実技協力:東レアローズ(男子)・小田原高等学校男子バレーボール部
シンポジウムでは、バレーボール学会の編集により2012年4月に発行された「バレーペディア バレーボール百科事典」の中で「テンポ」の解説をした渡辺寿規氏が、数多くの動画を紹介しながら、「ファースト・テンポ」について解説していった。解説の中では、アタック戦術とブロック戦術の歴史的変遷について、またファースト・テンポに対する誤解、そしてファースト・テンポを実現するためには「セッター主導」から「アタッカー主導」への発想の転換が必要であること、などが述べられた。
午後のオンコートレクチャーにおいては、手川勝太朗氏が東レアローズ、小田原高校の選手たちを使いながら、ファースト・テンポの攻撃がどのようなものなのか、また、ファースト・テンポの攻撃を作り上げる際に必要な考え方、指導法についてレクチャーを行った。レクチャーは4部構成で展開され、第1部はフラフープを使ったアクティビティを行って「信頼」の難しさについて、第2部は選手のフリースパイク場面を観察しながら、ファースト・テンポの攻撃を理解すること、第3部は、ファースト・タッチの高さ、パス返球目標位置、ミドル・ブロッカーの攻撃位置についての解説、そして第4部は、実際にファースト・テンポの攻撃を指導していくための手順等について、実技を交えて解説が加えられた。「テンポ」理解には実際の動きを見て理解する必要があること、参加者の体育館内での撮影が認められたこと、実技協力が東レアローズの選手たちであったことから、体育館内には多くのビデオカメラが並び、世界標準の「テンポ」概念をしっかり理解しようとする参加者の熱意が感じられた。
【文責】小川宏(福島大学)