日本バレーボール学会 第18回大会報告
会期:2013年2月23,24日
会場:武蔵丘短期大学
テーマ: 「世界トップレベルからみた日本バレーボールの現状と課題」
2013年2月23(土),24日(日)、武蔵丘短期大学において、「世界トップレベルからみた日本バレーボールの現状と課題」をテーマに、基調講演、シンポジウム、一般研究発表、フォーラム、キーノートレクチャーが開催された。当日は約140名の参加者が集まり、各演者の講演、発表に熱心に耳を傾けていた。
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<1日目>
13:20~14:20 〈基調講演〉
テーマ:「我が国のスポーツの現状とスポーツ基本計画の推進」
講師:森岡 裕策(文部科学省スポーツ・青年局スポーツ振興課スポーツ連携室長)
14:30~16:30 〈シンポジウム〉
テーマ:「世界トップレベルからみた日本バレーボールの現状と課題」
司会:松永 敏(平成国際大学)
講師:鳥羽 賢二(びわこ成蹊スポーツ大学、元日本バレーボール協会男子強化委員長)
安保 澄(ロンドンオリンピック全日本女子チームコーチ)
16:40〜17:40〈一般研究発表〉
ポスターセッション
18:30〜20:00〈情報交換会〉
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<2日目>
10:00~11:20 〈フォーラム〉
テーマ:「バレーボール選手における肩甲帯および上肢の障害とその予防」
コーディネーター:橋本 吉登(湘南東部総合病院)
話題提供者:板倉 尚子(日本女子体育大学)
11:30〜12:00〈総会〉
13:00〜15:00〈キーノートレクチャー〉
テーマ:「世界トップレベルチームにおける情報戦略活動」
司会:湯澤 芳貴(日本女子体育大学)
講師:渡辺 啓太(ロンドンオリンピック全日本女子チームアナリスト)
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1日目の基調講演では、文部科学省スポーツ振興スポーツ連携課室長の森岡氏が、日本のスポーツの現状とスポーツ政策について概説した。
続くシンポジウムでは、元日本バレーボール協会男子強化委員長の鳥羽氏が、日本バレーボールの強化体制の現状と課題について、世界トップレベルと比較しながら解説した。その後、ロンドン五輪全日本女子チームコーチの安保氏が、ロンドン五輪で銅メダルを獲得するまでの強化指導体制、そして今後の強化の方向性について発表した。
一般研究発表では、14の研究発表がポスターセッション形式で行われた。それぞれのポスター前で熱心な議論が交わされ、終了時間が18時まで延長された。情報交換会は大学から徒歩5分のディアナ・マリエールに会場を移して開催された。本学会の顧問であり、武蔵丘短期大学学長である河合氏から、歓迎の挨拶が述べられ、その後、会食しながら会員相互の親睦、情報交換が行われた。
2日目は10時からフォーラムが行われ、「バレーボール選手における肩甲帯および上肢の障害とその予防」について、橋本氏、板倉氏からそれぞれ話題提供があった。板倉氏はモデルを使った実演も交えて、具体的な肩甲帯の障害チェック法等について解説を行った。
総会では予算や決算、事業報告、計画の提案が承認された他、体罰やハラスメントの根絶に取り組んでいくことを表明した「バレーボール関連活動に関わる宣言」について報告され、了承された。
13時からはキーノートレクチャーが行われ、ロンドン五輪全日本女子チームアナリストの渡辺氏が「世界トップレベルチームにおける情報戦略活動」というテーマで発表した。渡辺氏は、1.バレーボールを中心とした「トップスポーツと情報戦略」、2.28年ぶりにメダルを獲得した「全日本女子バレーボールチームにおける情報戦略活動」、3.情報をいかに武器にするかという観点での「ITとスポーツ情報戦略」、という3部構成で発表を行った。発表後、質疑応答が行われ、フロアと発表者の間で熱心な議論が展開された。
最後に、学会副会長の柏森氏から閉会の挨拶があり、講師ならびに参加者の熱心な議論に対する感謝の意と、大会会場提供、大会準備に関わった実行委員会に対する謝辞が述べられ、2日間の大会は盛会のうちに終了した。
【文責】小川宏(福島大学)
講演・シンポジウム・研究発表等の詳細は機関誌15巻を参照ください。