バレーボールミーティング

2016年バレーボールミーティング

20160816

日本バレーボール学会 2016年バレーボールミーティング報告

会期2016年8月6日 (土)
会場京都外国語大学
テーマ「バレーボール活動を通した交際交流~大学の現状と今後の展望~」

8月6日(土)に京都外国語大学にて、2016バレーボールミーティングが開催されました。今回は、「バレーボール活動を通した交際交流~大学の現状と今後の展望~」をテーマに、博多女子高校バレーボール部コーチのオクム氏の講演、大学の国際交流に関する事例報告、シンポジウム、オクム氏によるオンコートレクチャーで構成され、約40名の参加者が集い、活発な情報・意見交換が行われました。

セッションレポート

10:10~10:55 講演
「世界をつなぐバレーボール~Same Volleyball Different Countries~」
 GODFREY OWESE OKUMU(WCup2015 ケニア女子代表チームコーチ)

オクム氏の講演は、「世界をつなぐバレーボール~Same Volleyball Different Countries~」というテーマでした。Wi-Fi無しでもバレーボールさえあれば世界の皆はつながることができるので、コーチや選手は固定観念にとらわれず、新しい考えを受け入れて視野を広く持つことが大切であると述べられました。オクム氏の幼少期の写真が紹介され、コートもボールも手作りでした。加えて、海外のさまざまな環境でバレーボールを楽しんでいる写真が提示され、当たり前のように室内でバレーボールができる日本の環境は恵まれていると感じるとともに、バレーボールを楽しむ心、上手になりたいという心は世界共通であると感じました。

11:00~12:00 事例報告「国際交流とバレーボール」 司会:吉田清司(専修大学)
報告1「ネパール復興支援バレーボール大会」中嶋大輔(京都外国語大学)、重田大輝(京都外国語大学)
報告2「シンガポールでの交流活動」佐藤国正(桐蔭横浜大学)
報告3「香港クラブチームのスポーツツーリズム(京都)」内田和寿(京都光華女子大学)

大学の国際交流に関する事例報告では、まず、ネパールでの活動について京都外国語大学の中嶋氏より概要の説明が行われ、重田氏が現地での様子について報告がなされました。重田氏は、野球が専門ですが、ボール1つと狭いスペースで楽しむことができるバレーボールに着目し、高校生を対象としたバレーボール大会とネパールvs日本の親善試合を企画・実施されました。観客も応援に熱が入り、震災の辛さを吹き飛ばす活動であったそうです。


次に、シンガポールでの活動について桐蔭横浜大学の佐藤氏より報告がなされました。桐蔭横浜大学ではバレーボール部の活動プログラムに英会話コミュニケーションを取り入れており、競技力と語学力の向上を目的にシンガポールへ遠征されました。親善試合を行うだけではなく、シンガポールの選手と一緒に練習をすることでコミュニケーションや連携の大切さを学び、夕食会では日本の文化を紹介し、語学力を磨いたそうです。


3つ目に、香港のチームを日本へ招いて行った活動について京都光華女子大学の内田氏より報告がなされました。バレーボールの交流活動だけではなく、大学の講義に参加したり、日本の文化を体験する教育活動と、学生のガイドによる京都観光を組み込んだスポーツツーリズムの実践です。この活動は、香港の雑誌に掲載されて海外のコーチに情報が伝わり、今年はインドネシアのチームが来学し、同様な交流活動を行ったそうです。

12:00〜12:30  シンポジウム
「バレーボール活動を通した国際交流 ~大学の現状と今後の展望~」
 進行:吉田清司(専修大学)
 シンポジスト:GODFREY OWESE OKUMU、重田大輝、佐藤国正、内田和寿

事例報告の後は、専修大学の吉田氏の司会で、オクム氏と重田氏、佐藤氏、内田氏によるシンポジウムが行われました。会場からの質問も多く30分があっという間に過ぎました。オクム氏のように海外から日本へ来てバレーボールに携わっている人や、逆に日本から海外に出てバレーボールに携わっている人の現状について意見交換がなされたり、日本の伝統的な指導についてオクム氏の見識が述べられました。最後には、今後、大学がスポーツで国際交流を推進するためにはどんなことが大切か、各シンポジストが意見を述べ、時間となりました。





13:30〜15:30  オンコートレクチャー(京都外国語大学第 2 分館武道体育館)
「英語によるバレーボール指導~指導に必要な英単語、英語表現~」
 進 行:内田和寿(京都光華女子大学)
 講 師:GODFREY OWESE OKUMU(WCup2015 ケニア女子代表チームコーチ)
 アシスタント:京都外国語大学学生
 モデルチーム:京都府立南陽高等学校女子バレーボール部

オクム氏によるオンコートレクチャーは、京都府立南陽高校女子バレーボール部をモデルチームとして英語で行われました。参加者には事前に資料として指導でよく使用する英単語のリストが配布され、リストを確認しながら指導の「言葉」に着目する内容でした。
オクム氏は、高校生と体育館で初めて顔を合わせました。英語で行う自己紹介や生徒の名前の確認、緊張をほぐす会話などは、今後、参加者が英語で指導をする機会に非常に参考になると感じました。パスやスパイクの練習では、オクム氏はジェスチャーと簡単な単語を用いてプレーの基本について解説し、生徒の緊張を和らげていました。そして「You can do it」とボールを出す際には生徒を励まし、生徒は一生懸命プレーした1時間半でした。


練習の最後には、オクム氏から生徒にABCをキーワードに「Always」「Be」「Confident」(いつでも自信を持ちなさい)というメッセージが送られ、終了となりました。








【文責】内田和寿(京都光華女子大学)

講演・シンポジウム・オンコートレクチャーの詳細は、10月末発刊予定のニュースレター23号を参照ください。

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